従来の杭工法は、ボーリングマシンを使って大口径の削孔をし、孔内に芯材又は鉄筋籠を建て込み、生コンクリート、モルタル、貧配合モルタルを充填して杭を仕上げる、BH(Boring Hole)工法が広く普及し実績を上げている。しかし、ボーリングマシンを使っての工法はドリリングロッド(以下ドリルロッドという)の径が小さいので、正循環で送る送水量に限界があり、孔内に沈殿スライムや安定液内に細粒スライムが巻き込まれて高比重になりゲル化してしまう欠点があるほか、使用するロッド径が細いのでロッドに弾力性があり削孔曲がりを生じ易い。これを改良するため、ドリルロッド本体の外周に角形外
套の上端に係合用凹所を形成させると共に、角形外套の下端近くにには、上下ドリルロッドの連結時に、係合用凹所に係合するよう付勢されたクランプを設けたものが創案されている(例えば特許文献1)。
特開2004−308195号公報(第6頁22〜35行、図7〜9)
削孔内に芯材建て込み前の削孔内に、円筒状重錐形の注入器を挿入して固化剤を孔底から充填し、注入量に応じて徐々に注入器を引き上げて、孔内泥水と置換することによって、従来工法での杭間背面箇所への止水用薬液注入による地盤改良作業を不要としてラップ杭施工を可能とした現場打ち杭工法を提供する。高圧ホース2の下端に、円筒状重錘形の固化材注入器具4をワイヤ吊りして削孔1の底近くに挿入し、高圧ホース2の先端から削孔底の泥水と混ざり合わずに固化剤を注入充填することで完全に置き換え、注入量を見ながら注入器具4を徐々に引き上げたのち、所定の掘削孔内または全掘削孔内に芯材を建て込んでラップ杭を造成する。
ボーリングマシンを使った従来工法での連続柱列杭の充填材は、富配合のモルタルを使用し強度のある接触杭の構築をして来たが、本工法は現場で容易に砂分を使用しない設計上必要な強度を有する流動性のある充填材(例えばセメントとベントナイト/CB注入)を現場で練って使用できる。従来工法では先行杭が強度の出ない貧配合モルタルを充填材として使用すると両側の先行杭に狭まれた後行杭の掘削時に強度のない先行杭の一方に孔曲がりして、先行杭の芯材に接触し、回転ビットが芯材に当たり衝撃を受けてロッド切断事故が発生するおそれがある。また、連続杭の場合には富配合モルタルを使用してきたが、杭間に隙間ができて止水性が期待できないので薬液注入工法を補助工法として採用せざるを得なかった。
前述のように、場所打ち杭工法には、BH工法とTBH(トップドライブリバース)工法があるが、本発明は従来工法と施工順序が全く異なっており、これら二つの工法の特性を兼ね備えると共に、如何なる施工条件でも柔軟に対応できる現場打ち杭工法を提供することを目的とする。
従来工法のボーリングマシンを使ったBH工法では、上記の理由で孔曲がりするので連続柱列式BH杭を構築しても杭間の間が空いてしまい止水性が期待できないことから補助工法として止水のための薬液注水工法が採用されてきたが、本発明工法では確実にラップ杭にて連続柱列杭の施工ができるので止水目的の薬液注水工事が不要になって工費の大幅な削減と、工期の短縮も期待でき、さらに、施工場所が狭く止水目的の補助工法の薬液注入工事に必要な用地が確保できない場合でも支障なく実施できる。