非調質フェライト・パーライト鋼材 - astamuse(アスタミューゼ)

Home   >   言語:日本語   >   発明   >   公開国:日本   >   2009年   >   05月   >   07日   >   公開番号:2009097054

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以下の情報は、出願公開日時点(2009年05月07日)のものです。

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自動車をはじめとして、輸送機械や建設機械に用いられる構造部品には、機械構造用炭素鋼や機械構造用合金鋼焼入れ焼戻しを施した調質鋼だけでなく、焼入れ焼戻しによらず鋼の化学成分組成や組織の制御によって高強度を確保した非調質鋼が用いられている。このような用途に用いられる非調質鋼としては、VやNb等の有価元素を所定量添加したフェライト−パーライト二相組織が一般的である。 一般に、鋼を高強度化すると靱性が低下するが、高強度化して前記鋼材として使用するためには、少なくとも従来使用していた鋼材と同等の製品靱性を確保する必要がある。 従来、鋼材の強化方法としては、固溶強化や、マルテンサイト等との複合組織化による第2相による強化、結晶粒の微細化、析出強化等の方法が知られている。

Sを鋼材の特性向上のために積極的に添加する鋼材として、例えば特許文献1には、機械構造用鋼軸受鋼等の転動疲労を向上させるために、MnSを主成分とした円相当直径で0.1〜3μmの微細硫化物が5000個/mm2以上、晶出あるいは析出により分散させた中・高炭素鋼が開示されている(段落番号8、12、17、25等)。しかしながら、微細硫化物の分散方法については記載がないので不明であるが、当該鋼は焼入れ焼戻しによる調質鋼であるから、その調質処理に伴う製造コストがかかる。

また、特許文献2には、非調質材で調質材に匹敵する強度及び靭性が得られるという熱間圧延型非調質棒鋼製造技術が開示されている。これによれば、所定の化学成分組成を有する鋼を、溶解時から残存するTi−Mo系炭化物等を固溶させるため、1100℃以上に加熱して熱間圧延し、その後冷却において、700〜550℃を0.5℃/secの冷却速度で冷却することにより、フェライト単相組織を有し、粒径が10nm未満(0.01μm未満)の微細析出物が分散している高強度・高靭性棒鋼を開示している(段落番号0071の表1、段落番号0072の表2、請求項9、段落番号0055、0056等)。 これによれば、熱間圧延後の冷却速度を厳密に制御しなければならないこと、鋼材の被削性を向上させたい場合には、Sを添加することが望ましいが、Ti−Mo系炭化物を含む析出物を微細に析出させ、強度を向上させるために、有価金属元素であるTi及びMoを所定量添加することが必要である(段落番号0038、0039)。

特開2004−277768号公報 特開2004−3008号公報

概要

脱硫不要で且つ高価な合金元素が不要な成分鋼で、S45C相当乃至それ以上の高強度・高靭性を有する非調質鋼を省工程、省エネルギーで製造する。 含有量単位が質量%で、C:0.30〜0.65、Si:0.10〜0.50、Mn:0.50〜1.50、S:0.003〜0.100、Cr:0.20以下(0を含む)、Al:0.005〜0.060、残部Fe及び不可避不純物の鋼に、1300℃超から固相線温度以下にて溶体化熱処理を施し、5℃/sec以上で急冷し、次いで時効熱処理をP=(T+273){20+log(t/60)}、T:γ温度域での保持温度(℃)、t:保持時間(min)で示すパラメーターP値が24200〜27000において施すことにより、フェライト中にMnS主成分で粒径200nm以下の粒子を分散析出させて、ビッカース硬さ210以上、更には240以上の非調質フェライト・パーライト鋼材とする。

目的

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。自動車等の高強度構造部品等にはS45C等の機械構造用炭素鋼に対して、従来、焼入れ焼戻し処理(調質処理)を施して、高強度を確保すると共に、靭性を向上させたものが用いられてきたが、本発明では、そのS45Cの機械構造用炭素鋼成分を基本とし、脱硫コスト排除のためにSを通常の鋼に比較して高濃度に含有したままでもよく、しかもCu、Ni、Cr、V、Ti、Nb、Mo、B等の有価金属元素は一切含有させる必要がなく、このように安価な成分系の鉄源を用いて、S45Cの調質処理鋼と同等乃至それ以上の高強度・高靭性を有する非調質鋼を製造することを目的とする。 そして、上記目的を達成するために、MnSを主体とする微細硫化物をフェライト−パーライト二相組織中のフェライト中に分散析出させることにより、高強度且つ高靭性を備えた非調質鋼を製造することを課題とする。

効果

本発明者は、高S含有のS45C系成分鋼について、MnS主体の硫化物を微細に分散析出させる方法を、従来の製造設備を利用した範囲内の低コスト作業により実現することを目指して鋭意試験研究した。その結果、次の知見を得た。 S45C系成分の鋼であって、この鋼がγ域内における従来公知のMnSの溶解度曲線を超えるMn及びS含有量を有すると否とにかかわらず、この鋼に対して、先ず1300℃を超える温度以上であって当該鋼を溶融状態(完全液相状態)から冷却させたときの固相線温度以下の温度範囲内において溶体化熱処理を施し、次いで当該鋼を水冷によりγ域内の温度まで急冷し、γ域内の温度範囲内において種々の条件で時効熱処理を行なった。 その結果、MnSを含む硫化物系の微細介在物がフェライト組織中に析出する場合が存在することを確認した。このMnSを含む微細析出物を有するフェライト・パーライト組織鋼においては、通常のフェライト・パーライト組織鋼においてパーライト体積率の増加による硬度上昇よりも明らかに大きな硬度の上昇が認められ、その硬度の上昇状態の特徴として、パーライト体積率の増加につれて上昇する硬度に極大値が出現することが認められ、この極大値を出現させる特定な条件が存在することを見出した。なお、パーライト体積率は、パーライト面積率の測定によるものであり、両者は同一であるとみなすことができる。また、上記MnSを含む硫化物系の微細介在物の粒径は約50〜200nm程度であることが観察された。

産業分類 製鉄・鉄鋼・鋼材加工業 非鉄金属製造業 金属被覆・メッキ・熱処理業
技術分類-
機能タグ効く持つ保つ
材料タグ-
設備タグ-
方法タグ-
情報更新 2011/09/07
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