| 発明 | 心電図自動解析装置、心電図自動解析方法および心電図自動解析プログラム |
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| 出願人 / 発明者 | フクダ電子株式会社 | / |
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| 代理人 | 鷲田 公一 , |
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| 出願日 | 2006年10月13日 |
出願番号:
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2006-280239 出願日より 4年10ヶ月 経過 |
|---|---|---|---|
| 公開日 | 2008年04月24日 |
公開番号:
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2008-093264 公開日より 3年4ヶ月 経過 |
| 登録日 | - | 登録番号: | - |
| 実績情報 | - |
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| ライセンス情報 | - |
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以下の情報は、出願公開日時点(2008年04月24日)のものです。
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技術分野
背景技術
0002
心臓疾患の診断に広く用いられている心電図は、一般に、標準12誘導波形と呼ばれる12種類の誘導波形から構成される。この標準12誘導波形は、被検者の両手首および両足首にそれぞれ取付けられた4つの電極から得られる6つの誘導波形(I,II,III,aVR,aVL,aVF)と、被検者の胸部に取付けられた6つの電極から得られる6つの誘導波形(V1,V2,V3,V4,V5,V6)とからなる。被検者から計測された標準12誘導波形の特徴により、被検者の心臓疾患を診断することができる。
0003
一方、心臓疾患の種類によっては、標準12誘導波形には現れ難く、他の誘導波形に現れ易い特徴がある。例えば、ブルガダ(Brugada)症候群は、右側胸部誘導波形(V1〜V3)において、特徴的なST上昇(coved型、saddleback型)を示すことで知られている。このブルガダ症候群の特徴は、ブルガダサインと呼ばれ、標準12誘導波形よりも、胸部電極の取付位置を上げて計測される誘導波形に現れ易く、標準12誘導波形の解析のみでは捉えきれない場合がある。
0004
したがって、ブルガダ症候群を診断するためには、標準12誘導波形を計測した後に、胸部電極の取付位置を上げて再計測し、これら双方の誘導波形を解析してブルガダサインの有無を判定することが望ましい。しかし、電極の取付位置を変更して12誘導波形を再計測することは、実質上、1人の被検者に対して2度の計測を行うことを意味しており、複数の被検者に対して毎回このような計測を行うのは煩雑である。
0005
そこで、本出願人は、この問題を解決する技術として、被検者から計測された標準12誘導波形を利用して、例えばV1〜V3誘導波形の電極位置の一肋間上または二肋間上の仮想電極位置で計測されたであろう予測誘導波形を合成する生体情報処理装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、実測された標準12誘導波形に加えて、合成された予測誘導波形を解析することにより、ブルガダ症候群の診断精度を向上することができると考えられる。
- 情報処理装置
- 様々な情報処理にそれぞれ対応する1つ以上のソフトウェアを実行させることで様々な情報処理を行わせるもの
発明が解決しようとする課題
0006
しかしながら、特許文献1記載の技術にあっては、解析する予測誘導波形の数を増やすにつれて、ブルガダ症候群の診断精度を一層向上することができるものの、これらを判読する医師の負担が増大し、診断効率が低くなる。
0007
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、被検者の心臓疾患の診断精度を向上しつつ、その診断効率を高めることができる心電図自動解析装置、心電図自動解析方法および心電図自動解析プログラムを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0008
本発明の心電図自動解析装置は、実測誘導心電波形から導出可能な合成心電波形を取得する取得部と、取得される合成心電波形のデータを計測する計測部と、取得される合成心電波形における特定の心臓疾患の特徴の有無を、計測されるデータを用いて判定する判定部と、を有する構成を採る。
0009
本発明の心電図自動解析方法は、心電図自動解析装置において実行される心電図自動解析方法であって、実測誘導心電波形から導出可能な合成心電波形を取得する取得ステップと、取得される合成心電波形のデータを計測する計測ステップと、取得される合成心電波形における特定の心臓疾患の特徴の有無を、計測されるデータを用いて判定する判定ステップと、を有するようにした。
0010
本発明の心電図自動解析プログラムは、実測誘導心電波形から導出可能な合成心電波形を取得する取得ステップと、取得される合成心電波形のデータを計測する計測ステップと、取得される合成心電波形における特定の心臓疾患の特徴の有無を、計測されるデータを用いて判定する判定ステップと、をコンピュータに実行させるようにした。
発明の効果
発明を実施するための最良の形態
0012
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
0013
図1は、本発明の一実施の形態に係る心電図自動解析装置100の構成の一例を示すブロック図である。
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0014
心電図自動解析装置100は、例えば、メモリカードや光ディスクなどの記録媒体に記録された実測誘導心電波形を解析する形態、心電図計測装置などの外部機器から伝送される実測誘導心電波形を解析する形態、または心電図計測装置の内部に組み込まれた形態などの種々の形態を採りうる。本実施の形態では、心電図計測装置で計測され、伝送される実測誘導心電波形を解析する形態を例にとって説明する。
0015
図1において、心電図自動解析装置100は、実測誘導心電波形読出部110と、フィルタ処理部120と、波形合成部130と、合成心電波形取得部140と、波形データ計測部150と、心臓疾患特徴データベース(以下「心臓疾患特徴DB」という)160と、心臓疾患判定部170と、出力部180とを有する。
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0016
実測誘導心電波形読出部110は、実測誘導心電波形を読出す。すなわち、実測誘導心電波形読出部110は、心電図計測装置から伝送された実測誘導心電波形を受信する。実測誘導心電波形読出部110は、読出された実測誘導心電波形を、フィルタ処理部120に出力する。
0017
ここで、「実測誘導心電波形」は、被検者の体表面に取付けられた電極(例えば12誘導電極)によって検出された心電信号に対して増幅やアナログディジタル変換などの処理を施すことによって得られた心電波形(例えば標準12誘導波形)である。本実施の形態では、「実測誘導心電波形」として、標準12誘導波形を例に挙げて説明する。
0018
フィルタ処理部120は、実測誘導心電波形読出部110から入力された実測誘導心電波形に対して、例えば、交流障害(ハム)、筋電図障害(ムスケル)および基線動揺(ドリフト)を除去するための波形整形処理を行う。フィルタ処理部120は、波形整形処理後の実測誘導心電波形を、波形合成部130に出力する。
0019
波形合成部130は、フィルタ処理部120から入力された実測誘導心電波形から、合成心電波形を導出する。より具体的には、まず、波形合成部130は、実測誘導心電波形からXYZ誘導波形を作成する。次いで、波形合成部130は、作成されたXYZ誘導波形を、心起電力の変化を3次元(立体的)で捉えた心起電力ベクトルHのXYZ成分に変換する。そして、波形合成部130は、この心起電力ベクトルHのXYZ成分と、被検者の体表面上の位置座標を示す合成誘導ベクトルLとの内積を求めることにより、被検者の体表面上の診断部位を網羅した範囲における複数の合成心電波形を作成する。これら複数の合成心電波形は、実測されてはいないが被検者の体表面上の部位に取付けられた電極を用いて計測されると予測される心電波形である。波形合成部130は、作成された複数の合成心電波形を、合成心電波形取得部140に出力する。波形合成部130による波形合成処理については、後に詳細に説明する。
0020
取得部としての合成心電波形取得部140は、波形合成部130から入力された複数の合成心電波形を取得する。合成心電波形取得部140は、取得された複数の合成心電図波形を、波形データ計測部150、および出力部180に出力する。
0021
計測部としての波形データ計測部150は、合成心電波形取得部140から入力された複数の合成心電波形のそれぞれについて、心電波形の特徴を示すデータを計測する。この心電波形の特徴を示すデータは、例えば、合成心電波形の部分ごとの振幅、時間幅および形状などを含む。波形データ計測部150は、計測された合成心電波形の特徴を示すデータを、心臓疾患判定部170に出力する。波形データ計測部150による合成心電波形の特徴を示すデータの計測処理については、後に詳細に説明する。
0022
心臓疾患特徴DB160は、心臓疾患名と、その心臓疾患の診断アルゴリズムとを対応付けて保持する。この診断アルゴリズムは、波形データに基づいた心臓疾患の診断基準あるいは診断根拠を示している。すなわち、診断アルゴリズムは、波形データ計測部150で計測された合成心電波形の特徴を示すデータを用いて、心臓疾患の特徴の有無を判定可能なように作成されている。心臓疾患特徴DB160が保持する診断アルゴリズムについては、後に例示しつつ詳細に説明する。
0023
判定部としての心臓疾患判定部170は、波形データ計測部150から入力された合成心電波形の特徴を示すデータを用いて、この合成心電波形における特定の心臓疾患の特徴の有無を判定する。より具体的には、心臓疾患判定部170は、合成心電波形の特徴を示すデータが、心臓疾患特徴DB160が保持する診断アルゴリズムで規定される条件(診断基準)を満たしているか否かを判定する。心臓疾患判定部170は、心臓疾患の特徴の有無の判定結果を出力部180に出力する。心臓疾患判定部170による心臓疾患の有無の判定処理については、後に詳細に説明する。
0024
出力部180は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などの表示装置、またはプリンタなどの印刷装置である。出力部180は、合成心電波形取得部140から入力された合成心電波形のうち、何らかの心臓疾患の特徴を有すると判定された合成心電波形、判定結果、およびそれに関するコメントを出力する。すなわち、出力部180は、合成心電波形の異常を警告する警告部としての機能を有する。なお、合成心電波形の異常の警告は、各種のミネソタコード等のコード分類に従って行うことができる。
0025
なお、本実施の形態では、実測誘導心電波形読出部110、フィルタ処理部120および波形合成部130を心電図自動解析装置100の内部の構成要素として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、これらの構成要素の一部または全部を、心電図自動解析装置100の外部に設けるようにしてもよい。
0026
以上、心電図自動解析装置100の構成について説明した。
0027
ここで、波形合成部130による波形合成処理について説明する。
0028
波形合成部130による波形合成処理は、実測心電誘導波形から心起電力ベクトルHのXYZ成分を一旦求めれば、この心起電力ベクトルHのXYZ成分と、被検者の体表面上の位置座標を示す合成誘導ベクトルLとの内積を求めることにより、被検者の体表面上のあらゆる部位に取付けられた電極を用いて実測されると予測される合成心電波形を導出することができるという原理に基づいて行われる。また、この原理は、体表面上の任意の点Pにおける電位をVpとし、心起電力ベクトルHのXYZ成分をH(X,Y,Z)とし、合成誘導ベクトルをL(a,b,c)としたときに、次の式(1)が成り立つという事実によって実証されている。
Vp=H・L=aX+bY+cZ …(1)
0029
H(X,Y,Z)は、標準12誘導波形の線形和、例えばV1〜V6誘導と、I誘導と、II誘導とを用いた線形和を示す次の式(2)によって求められる。この手法は、「逆Dower法」として広く知られている。逆Dower法については、例えば、(P. W. Macfarlane他著、大塚邦明監訳、「12誘導ベクトル心電図」、株式会社メディカルエレクトロタイムス、1996年6月11日発行、第33頁〜第36頁)を参照されたい。
X=-0.172V1-0.074V2+0.122V3+0.231V4+0.239V5+0.194V6+0.156(I)-0.010(II)
Y=0.057V1-0.019V2-0.106V3-0.022V4+0.041V5+0.048V6-0.227(I)+0.887(II)
Z=0.229V1+0.310V2+0.246V3+0.063V4-0.055V5-0.108V6-0.022(I)-0.102(II) …(2)
0030
また、L(a,b,c)は、被検者の体表面上の点が、フランク(Frank)のイメージサーフェス(Image Surface)上のどの点に対応するかを決定することによって求められる。より具体的には、トルソモデルおよびイメージサーフェスによって、トルソモデルにおける標準12誘導に用いる電極位置が対応するイメージサーフェス上の座標を求めた後、電極位置の座標から標準12誘導波形についての合成誘導ベクトルL(a,b,c)を決定する。ここで、イメージサーフェスは、上記式(1)において、H(X,Y,Z)を固定した状態で、体表面上の電位を投影して得られるXYZ空間である。トルソモデルおよびイメージサーフェスの詳細については、フランクの論文(Ernest Frank, "THE IMAGE SURFACE OF A HOMOGENEOUS TORSO", Amer. Heart. J, 47:pp. 757-768, 1954)を参照されたい。
0031
このように、トルソモデルおよびイメージサーフェスを用いれば、被検者の体表面上のあらゆる位置座標を示す合成誘導ベクトルを求めることができる。これにより、診断部位を細かく刻んだ各点に電極を取付けたと仮定した場合の合成誘導波形を多数導出することができる。例えば、ブルガダ症候群の診断時に、標準12誘導におけるV1〜V3誘導波形の電極位置の一肋間上または二肋間上までを細かく刻んだ多数の点で計測されると予測される多数の合成誘導波形を導出することができる。
0032
なお、イメージサーフェスは、厳密には、体型や年齢、性別などの各種パラメータによって被検者ごとに異なりうるので、イメージサーフェス上の座標位置にも多少のずれが生じる可能性がある。これに対応するために、前述の特許文献1に示されるように、実測誘導波形について複数の候補波形を生成し、これら複数の候補波形のうち標準12誘導波形と最も類似する候補波形の合成に用いた誘導ベクトルを選択して、波形合成部130の波形合成処理に用いるようにしてもよい。
0033
以上、波形合成部130による波形合成処理について説明した。
0034
次に、波形データ計測部150による合成心電波形の特徴を示すデータの計測処理について説明する。波形データ計測部150が計測するデータは、大別して、連続した合成心電波形から計測される項目と、連続した合成心電波形のうちの1つ(1心拍)から計測される項目とがある。
0035
(連続した合成心電波形からのデータの計測)
連続した合成心電波形からのデータの計測処理について、図2(A)〜(C)を用いて説明する。図2(A)〜(C)は、連続した合成心電波形から計測されるデータの特徴の一例を示す図である。
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0037
次いで、図2(B)に示すように、波形データ計測部150は、QRS波の始点から前心拍のT波の終点の区間(サーチエリア)でP波、f波を計測する。これにより、連続した合成心電波形のそれぞれの区分点が認識される。
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0038
そして、図2(C)に示すように、波形データ計測部150は、心拍ごとに次の各項目を計測する。
・R−R時間:前のR波との間の時間
・P−R時間:QRS波の始点とP波の始点との間の時間
・QRS時間:QRS波の始点と終点との間の時間
・QT時間:QRS波の始点とT波の終点との間の時間
・P波、f波の数:前心拍のT波終点までの区間にあるP波、f波の数
・P−P時間:前心拍のP波との間の時間
・P1−P2時間:P波が2個ある場合における1個目と2個目との間の時間
・QRS波の振幅:QRS波の振幅
・QRS波の面積:QRS波の始点から終点までの積分値
・QRS波の軸:QRS波の面積から求めた電気軸
・QRS波の向き:QRS波の上向きなのか下向きなのかを示す情報
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0040
(連続した合成心電波形のうちの1つからのデータの計測)
連続した合成心電波形のうちの1つからのデータの計測処理について、図3(A)〜(E)を用いて説明する。図3(A)〜(E)は、連続した合成心電波形のうちの1つから計測されるデータの特徴の一例を示す図である。
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0041
まず、波形データ計測部150は、連続した合成心電波形のうち、波形解析を行うために最も優勢な波形を1心拍抽出する(ドミナント波形の抽出)。より具体的には、波形データ計測部150は、連続した合成心電波形から、期外収縮が疑われる心拍を除いた上で、ショートR−R、異常QRS、基線ドリフトのチェック項目からドミナント波形を決定し、R波の頂点の前400msからR波の頂点の後600ms(1秒分)を同位相で抽出する。
0043
そして、波形データ計測部150は、抽出されたドミナント波形と算出されたアベレージ波形との双方を使用して、区分点の認識を行い、さらに、波形の細分化、波形の振幅および時間幅などを算出する。これにより、図3(A)〜(E)に示すように、次の各項目が得られる。
・P1a(mV):P1の振幅(+,−)
・P2a(mV):P2の振幅(+,−)
・Qa(mV):Qの振幅(+,−)
・Ra(mV):Rの振幅(+,−)
・Sa(mV):Sの振幅(+,−)
・R’a(mV):R’の振幅(+,−)
・S’a(mV):S’の振幅(+,−)
・ST1(mV):ST1の振幅(+,−)
・ST2(mV):ST2の振幅(+,−)
・T1a(mV):T1aの振幅(+,−)
・T2a(mV):T2aの振幅(+,−)
・P1d(ms):P1の時間幅
・P2d(ms):P2の時間幅
・Qd(ms):Qの時間幅
・Rd(ms):Rの時間幅
・Sd(ms):Sの時間幅
・R’d(ms):R’の時間幅
・S’d(ms):S’の時間幅
・P−R(ms):Pb〜Qbまでの時間幅
・QRS(ms):Qb〜Seまでの時間幅
・FVT(ms):Qbから最初の波形頂点までの時間
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0044
波形データ計測部150により計測される各データは、各種の心臓疾患の特徴の有無を判定するための重要なパラメータとして利用されうる。波形データ計測部150は、合成心電波形取得部140から入力される複数の合成心電波形のそれぞれについて、上記した一連のデータ計測処理を行う。
0046
以上、波形データ計測部150による合成心電波形の特徴を示すデータの計測処理について説明した。
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0048
図4において、診断アルゴリズムは、心臓疾患名によって分類されている。各診断アルゴリズムは、波形データ計測部150で計測された合成心電波形の特徴を示すデータを用いて心臓疾患の特徴の有無を判定可能なように作成されている。
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0053
図5(A)〜(C)は、心電波形におけるブルガダ症候群の特徴、例えばブルガダサインを説明するための図である。図5(A)は、波形異常がない合成心電波形を示す図であり、図5(B)は、saddleback型のST上昇を示すブルガダサインを呈する合成心電波形を示す図であり、図5(C)は、coved型のST上昇を示すブルガダサインを呈する合成心電波形を示す図である。
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0054
図5(A)〜(C)に示すように、ブルガダ症候群の特徴を有する心電波形は、波形異常がない心電波形に比して、特徴的なST上昇を示す。したがって、ブルガダ症候群を診断する診断アルゴリズム(No.4)は、この特徴的なST上昇を検出するためのアルゴリズムである。
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0055
(saddleback型ブルガダ症候群の診断アルゴリズム)
saddleback型ブルガダ症候群におけるブルガダサインの検出条件は、図5(B)において、不完全RSR’パターンまたは完全右脚ブロックパターンがあり、V1誘導またはV2誘導で、以下の式(3)が成立することである。
ST1≧0.2mV、且つTa<STj×1.5、且つ|Sa|≦3.0mV …(3)
ここで、STjは、QRS波とST部位との接合部(J点)のST値であり、ST1は、J点からQT/10の点のST値である。
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0056
(coved型ブルガダ症候群の診断アルゴリズム)
coved型ブルガダ症候群におけるブルガダサインの検出条件は、図5(C)において、V1誘導またはV2誘導で、以下の式(4)が成立することである。
STj≧ST1≧ST2、且つST1≧0.2mV、且つTa<STj×1.5、且つ、|Sa|≦3.0mV …(4)
ここで、STjは、QRS波とST部位との接合部(J点)のST値であり、ST1は、J点からQT/10の点のST値であり、ST2は、ST1からさらにQT/10の点のST値である。
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0057
以上、心臓疾患特徴DB160が保持する診断アルゴリズムについて説明した。
0060
例えば、心臓疾患判定部170は、合成心電波形におけるブルガダ症候群の特徴の有無を判定する場合、まず、不完全RSR’パターンまたは完全右脚ブロックパターンの有無を検出し、次いで、計測部150で計測されたSTj、ST1、ST2、Ta、Saが上記式(3)または式(4)を満たすか否かを判定する。
0061
そして、不完全RSR’パターンまたは完全右脚ブロックパターンが検出され、且つ式(3)が満たされた場合、心臓疾患判定部170は、合成心電波形がsaddleback型ブルガダ症候群の特徴を有すると判定する。また、式(4)が満たされた場合、心臓疾患判定部170は、合成心電波形がcoved型ブルガダ症候群の特徴を有すると判定する。一方、式(3)および式(4)のいずれも満たされない場合、心臓疾患判定部170は、合成心電波形がブルガダ症候群の特徴を有しない、つまり正常波形であると判定する。
0063
以下、上述のように構成された心電図自動解析装置100の動作について、図6を用いて説明する。
0064
図6は、本実施の形態に係る心電図自動解析装置100による心電図の自動解析処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、合成心電波形におけるブルガダ症候群の特徴の有無を判定する場合を例にとって説明する。なお、ここで説明する自動解析処理の手順は一例であり、この手順に含まれる工程およびその順番などは、種々変更可能である。
0065
まず、実測誘導心電波形読出部110は、元波形データ、つまり実測誘導心電波形を読出す(S1)。実測誘導心電波形読出部110で読出された実測誘導心電波形は、フィルタ処理部120で波形整形処理され、波形合成部130に出力される。
0066
次いで、波形合成部130は、入力された実測誘導心電波形からXYZ誘導波形を生成し(S2)、生成されたXYZ誘導波形と被検者の体表面上の位置座標を示す合成誘導ベクトルとを用いて、被検者の診断部位を網羅した範囲における合成心電波形を多数作成する(S3)。波形合成部130で作成されたこれら多数の合成心電波形は、合成心電波形取得部140で取得される。
0067
ここでは、波形合成部130は、少なくとも、ブルガダ症候群の特徴の有無を判定するための診断部位、例えば、標準12誘導における右側胸部誘導V1〜V3の電極位置の一肋間上および二肋間上に電極を取付けた場合に計測されると予測される合成心電波形を作成する。このように、ブルガダ症候群の特徴が現れ易い部位における合成心電波形が包括的に作成される。なお、波形合成部130が作成する合成心電波形の数は特に限定されず、一肋間からさらに複数の合成心電波形を作成するようにしてもよい。
0068
次いで、波形データ計測部150は、合成心電波形取得部140で取得された合成心電波形について、上述した様々な項目における心電波形の特徴(例えば、振幅、時間幅、形状など)を示すデータを計測する(S4)。ここでは、波形データ計測部150は、合成心電波形について、少なくとも、ブルガダサインの有無を検出するためのデータ(STj、ST1、ST2、Ta、Sa)を計測する。波形データ計測部150で計測されたこれらのデータは、心臓疾患判定部170に出力される。
0069
心臓疾患判定部170は、波形データ計測部150から入力された合成波形の特徴を示すデータと、心臓疾患特徴DB160が保持する診断アルゴリズムとを用いて、合成心電波形における心臓疾患の特徴の有無を判定することにより、合成心電波形の異常または正常を診断する(S5)。ここでは、心臓疾患判定部170は、まず、合成心電波形から不完全RSR’パターンまたは完全右脚ブロックパターンの有無を検出し、波形データ計測部150で計測されたデータが上述の式(3)または式(4)を満たすか否かを判定することにより、合成心電波形の異常または正常(ここでは合成波形がブルガダサインを呈するか否か)を診断する。
0070
波形データ計測部150および心臓疾患判定部170は、波形合成部130で作成され、合成波形取得部140で取得された多数の合成心電波形のすべてについて、上述したデータの計測処理と、波形の異常または正常の診断処理とを行う(S6:NO、S7)。
0071
そして、心臓疾患判定部170は、すべての合成心電波形について、ステップS4およびステップS5の処理が完了すると(S6:YES)、その判定結果を、合成心電波形ごとに出力部180に出力する。
0072
出力部180は、心臓疾患判定部170から、合成心電波形のいずれかに異常がある、つまりブルガダサインが呈される旨の判定結果が入力されると(S8:YES)、その合成心電波形と判定結果とを出力するとともに、それに関するコメントを出力して(S9)、自動解析処理を終了する。このコメントは、例えば、波形の説明、診断基準や診断根拠、考慮すべき臨床疾患、重症度やその対応、または必要な2次検査の示唆などを含む。
0073
一方、出力部180は、心臓疾患判定部170から、いずれの合成心電波形にも異常はない旨の診断結果が入力されると(S8:NO)、心電図異常なしと判断して自動解析処理を終了する。なお、この場合において、出力部180は、心電図異常が診断されなかった旨のコメントを出力して自動解析処理を終了するようにしてもよい。
0074
なお、ここでは、診断対象である心臓疾患をブルガダ症候群に特化して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、心電図自動解析装置100は、合成心電波形において、複数の心臓疾患の特徴(例えば、不整脈や心室肥大、心筋梗塞、WPWなど)の有無を同時に自動診断することができる。
0075
以上、心電図自動解析装置100による心電図の自動解析処理について説明した。
0076
なお、本実施の形態では、ブルガダ症候群の特徴の有無を判定するための診断部位、つまり標準12誘導における右側胸部誘導V1〜V3の電極位置よりも上部の電極位置で計測されると予測される合成心電波形を作成するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、小児の右室異常を診断する場合には、V3R〜V4Rの電極位置の周辺における合成心電波形を作成するのが好ましく、後壁梗塞を診断する場合には、V7〜V9の電極位置の周辺における合成心電波形を作成するのが好ましい。このように、診断対象である心臓疾患の特徴が現れ易い部位の周辺における合成心電波形を作成して解析を行うことにより、波形異常が発見される可能性を向上させることができる。
0077
また、本実施の形態においては、実測誘導心電波形として、標準12誘導波形を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、実測誘導心電波形は、ホルタ心電図で利用されるNASA誘導またはCM5誘導で導出される波形であってもよい。すなわち、実測誘導心電波形は、合成心電波形を生成するために必要となるXYZ誘導波形を生成可能であれば、その誘導方法および波形の数は制限されない。
0078
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。例えば、上記の心電図自動解析方法をソフトウェアとしてコンピュータに実行させるようにしてもよい。すなわち、上記実施の形態で説明した心電図自動解析方法を実行するプログラムを予め例えばROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録しておき、そのプログラムをCPU(Central Processing Unit)によって動作させることで、本発明の心電図自動解析方法を実行することができる。
0079
このように、本実施の形態によれば、合成心電波形取得部140が、実測誘導心電波形から導出された合成心電波形を取得し、波形データ計測部150が、取得される合成心電波形のデータを計測し、心臓疾患判定部170が、取得される合成心電波形における特定の心臓疾患の特徴の有無を、波形データ計測部150の計測データを用いて判定する。これにより、実測誘導心電波形、例えば標準12誘導波形を測定するだけで、電極が取付けられた部位を網羅した範囲において、漏れのない心臓疾患の診断を自動的に行うことができる。すなわち、心臓疾患の特徴が実測誘導心電波形に現れなくとも、合成心電波形に現れる可能性があるので、診断の精度を向上することができる。また、判定すべき合成心電波形の数が増大しても、その判定処理は波形データ計測部150および心臓疾患判定部170が自動で行うので、依然として高効率な診断が実現可能である。
0080
また、本発明の自動診断技術は、波形データと診断アルゴリズムとに基づく定量的な手法によって行われるので、診断の恒常性および再現性が高い。これにより、本発明の自動診断技術は、医師による判読の後の客観的なダブルチェックの意味合いで用いることができる一方、多数の波形データの中から医師が判読すべき波形データ、つまり異常と判定される波形データを抽出するために用いることもできる。
0081
したがって、本発明の自動診断技術は、ブルガダ症候群のように、1000人に1人か2人の低い割合で存在する疾患であり、かつ突然死を引き起こす恐れのある危険な疾患の特徴の有無を判定するのに特に有用である。
図面の簡単な説明
0082


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